神経発達症の子どもの睡眠障害 子どもにみられる主な睡眠障害の解説
子どもにみられる主な睡眠障害
子どもにみられる主な睡眠障害を紹介します。
あてはまる症状がある場合には、一度かかりつけ医に相談しましょう。
不眠症
「寝つくまでに時間がかかる」、「夜中に目を覚ましてしまい眠れない」、「寝つくときや夜中に目を覚まして再び寝つくときになんらかの条件(部屋に明かりがついている、テレビを見る、両親が部屋に残るなど)がないと眠れない」などの症状がみられ睡眠不足を起こす状態です。
概日(がいじつ)リズム睡眠・覚醒障害(睡眠相後退症候群(すいみんそうこうたいしょうこうぐん)
「睡眠リズム(寝ついてから目が覚めるまでの時間帯)が後ろにずれてしまい、眠るべき時間帯に眠れない」、「布団やベッドに入ってもなかなか眠れず、いったん寝つくと起きるべき時間に起きられず、寝過ごしてしまう」、「毎日、1時間程度、睡眠リズムが後ろにずれていき、昼夜逆転している」などの症状がみられます。これらの症状が原因で日常生活に支障が出る状態です。
閉塞性睡眠時無呼吸障害(へいそくせいすいみんじむこきゅうしょうがい)
「眠っているときに、いびきをかいている」、「眠っているときに、呼吸をしていないときがある」、このような症状が原因で睡眠不足となり、「日中の眠気、注意力の低下、落ち着きがない、不機嫌などの問題行動、学校の成績の低下がみられる」など日常生活に支障をきたす状態です。
ナルコレプシー
「日中に耐えがたい眠気のために試験中や会話の途中など通常は考えられない場面でも眠り込んでしまう」、「夜の睡眠は充分とれているのにもかかわらず、気がついたら寝ている」、「大笑いしたり、興奮したり、喜んだりなどをきっかけに、全身、首、膝、腰、まぶたなどが突然ゆるむ」などの症状がみられます。
むずむず脚症候群(あししょうこうぐん)(睡眠関連運動障害(すいみんかんれんうんどうしょうがい))
「足がむずむずする」、「足をうごかさずにはいられない」、「足が気持ち悪い」、「足に虫が這っているような感じ」など足を動かさずにはいられない不快な感覚があり、夜間に悪化して眠りにつけない状態です。この症状は静止時に悪化し動くと軽快します。また、足だけではなく腕に現れることもあり、子どもでは「痛み」や「熱さ」、「痒さ」として訴えることもあります。注意欠如・多動症(ADHD)に合併しやすいとの報告があります。
睡眠時随伴症(すいみんじずいはんしょう)
「眠っているときに叫んだりわめいたり、悲鳴を上げたりする」、「眠ったまま、ベッドから離れて歩き回る」などの行動や「怖い夢を繰り返し見る」、「頻繁におねしょをする」などの症状がみられます。
久留米大学 学長:
内村直尚先生 監修
- 神経発達症の子どもの睡眠障害