リンパ管疾患 医療費助成制度について

指定難病と小児慢性特定疾病①~各制度の基本的な考え方

リンパ管疾患の患者さんは疾患の内容や病態、年齢などに応じて、いくつかの医療費助成制度を利用できます。その代表例が指定難病に対する医療費助成制度と、小児慢性特定疾病に対する医療費助成制度です。二つの制度は似ているものの、施策の目的の違いから異なる点があります。本記事ではそれらを説明しながら、制度の内容をご紹介させていただきます。

医療費助成制度

指定難病と小児慢性特定疾病の医療費助成制度

まず指定難病に対する医療費助成制度は、難病対策という政策のもとで、「難病の患者に対する医療等に関する法律」に基づいて実施されています。

イメージとしては洪水対策のように、国民全体が困ってしまう「難病」という現象を減らす、または無くすための対策という、疾病そのものの解決を目指すことが目的となっています。指定難病と認定されるためには、対象の疾病に該当していることに加えて、重症度分類に照らして病状の程度が一定以上であることが必要です。また対象者の年齢制限はありません。重症例を重点的に支援し、国民全体として見た場合に疾病に罹患している人の重症度を下げることで、重症度が一定水準以上の難病の数を減らすことを目的としています。

一方、小児慢性特定疾病に対する医療費助成制度は、子どもの支援について包括的に定めた「児童福祉法」に基づいて実施されています。

この法律は子どもの健全な育成を目的としています。小児慢性特定疾病対策は、支援が必要な状態に置かれた子どもへの支援の一つとして、疾病を抱えた状況に置かれた子どもの将来を向上するための支援を提供することが目的となっています。そのため、基本的には児童として定義される18歳未満が対象となり、継続的に支援が必要な場合に、20歳になる前まで利用できます。また認定の基準は疾病に対する重症度ではなく、支援が必要な状態として定められた症状や治療状況が記された疾病の状態の程度に該当することとされています。「子どもの重荷となる状況はどのようなものか」という視点から、病状や治療状況などに応じて負担の程度や支援の必要性が検討され、疾患ごとに対象が定められています。

指定難病と小児慢性特定疾病の医療費助成制度

※本記事でご紹介している内容は、2021年12月時点の情報です。変更となっている可能性がありますので、インターネットや自治体の窓口などで最新の情報をご確認ください。

国立成育医療研究センター研究所 小児慢性特定疾病情報室
盛一享德先生 監修

リンパ管疾患

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指定難病と小児慢性特定疾病①
~各制度の基本的な考え方

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~各制度の内容

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