神経発達症の子どもの睡眠障害 神経発達症(発達障害)の解説

神経発達症(発達障害)とは

神経発達症(発達障害)は、脳機能の働きの問題が原因で生じる特性であり、典型的には発達期早期、小・中学校入学期ごろに明らかとなり、個人的、社会的、学業、または職業において、なんらかの支障を引き起こすもので、発達の偏りにより特徴づけられます。

米国精神医学会「精神疾患の診断・統計マニュアル第5版」(DSM-5)では、神経発達症(発達障害)を「知的能力障害」、「コミュニケーション症」、「自閉スペクトラム症(ASD)」、「注意欠如・多動症(ADHD)」、「限局性学習症」、「運動症(発達性協調(はったつせいきょうちょう)運動症、常同(じょうどう)運動症、チック症)」、これらのいずれにも分類されない「他の神経発達症」の7つに分類しています。これらは、いくつか重なって現れることがあります。

神経発達症(発達障害)は、脳機能の働きの問題が原因で起こる特性であり、保護者や養育者による育て方やしつけによるものでもなく、また、子どもの努力が足りないということでもありません。子どもの将来のためにも早期の適切な療育支援・教育的支援を受けることは、とても大切なことです。

知的能力障害

知的能力障害は、知的な能力の全般に発達の遅れがみられる障害で、記憶や言語、読み書き、算数など実用的な知識を身につけることや家庭や学校などで自分以外の人とのコミュニケーションをとること、遊びと学校での課題の調整をするなどの自己管理がうまくできないことが特徴です。
子どもでは、「発達期(1歳前後以降)に発する言葉が少ない」、「理解している言葉が少ない」などの「言葉の遅れ」から気づく場合も少なくありません。

コミュニケーション症

コミュニケーション症は、話す、書くなどについて、その子どもの年齢で期待されるものよりも、言葉を身につけることや言葉を使うことが困難である状態、吃音(音を繰り返したり、音が伸びたり、言葉が出ないなど滑らかに話すことができない状態)などによりうまくコミュニケーションが取れず、社会的参加や学業に支障がでる障害です。
「挨拶ができない」、「話し方を相手に合わせることが出来ない」などの特徴がみられます。

自閉スペクトラム症(ASD)

自閉ペクトラム症(ASD)では、コミュニケーションがとりにくい、行動や興味が限定していてこだわりが強い、感覚の過敏もしくは鈍さなどが認められます。
笑うことが少ない」、「話しかけても視線を合わせない」、「友達と一緒に遊ばない」、「決まった遊びを長時間続ける」、「大きな音や光を嫌がる」などの特徴がみられます。

注意欠如・多動症(ADHD)

注意欠如・多動症(ADHD)では、不注意、多動、衝動性などが認められます。
「集中できない」、「段取りがくめない」、「頻繁にものをなくす」、「思いつきで行動してしまう」、「じっと座っていられない」などの特徴がみられます。

限局性学習症

限局性学習症は、知的発達に問題がないにも関わらず、読む、書く、計算するなどの特定の学習にのみ困難が認められる状態です。
「文字が読めない」、「文字を書くことができない」、「計算ができない」などの特徴がみられます。

運動症

運動症には、「ハサミがうまく使えない」、「物によくぶつかる」といった不器用さ、「よく転ぶ」、「自転車に乗れない」などの運動がうまくできない発達性協調(はったつせいきょうちょう)運動症、「手をふる」、「身体をゆらす」、「自分の身体を叩く」など一見して意味のない運動を反復して行う常同(じょうどう)運動症、「まばたきをする」、「顔をしかめる」、「首をかしげる」、「ジャンプする」、「鼻をならす」、「舌打ちをする」など自分の意志とは関係なく運動する、音を発するチック症などがあります。

久留米大学 学長:
内村直尚先生 監修

神経発達症の子どもの睡眠障害

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