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骨格筋画像診断の重要性

  • MRIやCT等の画像診断は、筋萎縮と脂肪変性部位の同定が可能であるため、縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(GNEミオパチー)に限らず筋疾患では非常に重要です。
  • 臨床診断時には、画像診断以外に従手筋力テスト(Manual Muscle Test: MMT)も実施しますが、訓練を受けた医師であっても評価の均一化が難しいため、画像による客観的な診断も合わせて実施されます。

GNEミオパチーのCT画像(歩行可能な時期)

GNEミオパチーのCT画像(歩行可能な時期)

国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター病院森 まどか先生 ご提供

  • 臀部:中臀筋の萎縮および脂肪置換
  • 大腿中央部の横断面:大腿四頭筋の多くは温存、大腿屈筋群は萎縮および脂肪置換
  • 下腿部(ふくらはぎ、脛):前脛骨筋の萎縮および脂肪置換

GNEミオパチーのCT画像(筋障害の進行)

GNEミオパチーのCT画像(筋障害の進行)

国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター病院森 まどか先生 ご提供

  • 同一患者のCT画像で筋障害の進行を示しています。
  • 24歳時点で、すでに下腿筋が萎縮し、特に前脛骨筋は脂肪置換を受けています。加えて、大腿後面のハムストリングの一部、大内転筋、中殿筋にも脂肪置換を認めます。そのため、がに股の動揺性歩行に下垂足を伴う特徴的な歩容を示します。
  • 進行すればほぼ全ての筋が脂肪置換を受けるようになりますが、大腿四頭筋は、進行期でも比較的保たれる傾向があります。そのため、歩行不能になっても膝伸展は比較的保たれます。

GNEミオパチーは厳密には「遠位型」ではない!(末梢神経障害との鑑別)

  • 一般に、筋疾患の多くは近位筋が障害されますが、GNEミオパチーを含む遠位型ミオパチーとは、例外的に遠位筋が障害される筋疾患の総称です。
  • また、遠位筋が障害される疾患の多くは末梢神経障害であることが知られています。

GNEミオパチー
+:長母趾伸筋、短趾伸筋(EDB)
ー:前脛骨筋

  • GNEミオパチーでは、前脛骨筋より遠位の「長母趾伸筋」、さらには末梢にある「短趾伸筋(EDB)」は保たれている一方、前述の筋肉より近位である「前脛骨筋」が障害される例が多いことから、厳密には遠位型とは言えません。
  • このような点から、画像診断は末梢神経障害との鑑別の一助となりえます。
監修
東北大学大学院医学系研究科 神経内科学分野 教授  青木正志 先生
国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 疾病研究第一部 部長 西野一三 先生
大阪大学大学院 医学系研究科 保健学専攻 生体病態情報科学講座 臨床神経生理学 教授 髙橋正紀 先生

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