血管腫・脈管奇形 患者さんの声
患者さんの声(発症から現在までの経緯、困りごと、病気との付き合い方などについて)
血管腫・脈管奇形と診断された患者さん6名を対象にご自身の経験や病気との付き合い方等についてインタビューを行い、その結果をまとめました。
また、ご監修の先生より、受診や日常生活に関してメッセージをいただきました。
病気の症状には個人差があります。ここでご紹介する内容はあくまでその方個人の感想・体験であり、すべての方に当てはまるものではございません。
インタビューの概要
| 手法 | インターネットを介した1on1インタビュー |
|---|---|
| 対象者・人数 | 日本国内の難治性血管腫・脈管奇形の患者さん、もしくは保護者 6名 |
| 患者さんの疾患 |
|
| 患者さんの年齢 | 10歳未満:1名 10歳代:3名 20歳代:2名 ※10歳代以下の患者さんは、保護者、もしくは保護者とご本人にインタビューを実施 |
| 患者さんの性別 | 男性:2名 女性:4名 |
| インタビュー実施期間 | 2025年9月5日(金)~7日(日) |
患者さんまたは保護者の皆さまには、インタビューおよびその内容のホームページ掲載について、ご同意をいただいております。
発症から診断・現在までの受診経緯、症状と対処・治療の経緯
症状の発見または発症が確認されてから、どのように診断・治療を受けるに至ったかなど、現在までの経緯を患者さんに伺いました。
発症から診断・現在までの受診経緯
- 今回の対象者の発症が確認されたのは、出産時や幼少期であり、出生期であればNICUに移され、検査や処置が行われました。その後、少し大きな病院に転院した方もいましたが、最終的には医師からの紹介または自身で専門医がいる病院を探して転院し、専門医に現在の病名を診断されました。
- 専門医のもとで詳細な疾患名の診断がされており、発見・発症から診断までの期間は長くて18年、かかった病院数は3~7施設でした。
- 専門医は大きく分けて2つ(外科系、内科系)あり、治療目的などにより、内科と外科への受診を分けていました。(同タイミングでの通院もある)

>>Doctor‘s Comment
診断までに長い時間必要だった方もおられますが、症状がはっきりしない場合や、検査で異常が無いこともよく経験します。実際、診断は専門家でも難しい場合も多いです。
かかりつけの先生とよく相談し、どうしてもわからない場合は、大きな病院を紹介していただくようにお願いしてみましょう。
患者さんごとの症状と対処・治療の経緯
- 通院頻度は、発症初期には週1回~月1回程度(入院を除く)、病名の診断後の内服治療などで症状が落ち着いている状況では約3ヵ月に1回程度の方が多くみられました。
- 手術や硬化療法など外科系専門医での治療は、夏休みに合わせる等、年に1~2回の方が多く見られました。






あくまでも患者さん個人のご経験を紹介いただいた内容であり、
特定の治療を推奨するものではありません。
患者さん、ご家族の困りごと
血管腫・脈管奇形の患者さんとご家族が感じている困りごとを伺いました。
- 患者さんご本人では「食べ物や運動の制限」「症状が絡む人間関係」「就職活動への不安」「妊娠・出産への不安」 「入退院を繰り返し学校や保育園に通えない」などが挙げられました。
- 家族側では、「母親のケアやきょうだいの世話が大変である」「情報の少なさ」「治療を理解することの難しさ」「将来への不安」「両親がいなくなってからのケア」が挙げられました。
- 共通の困りごととしては、「診断がつかないことへの不安」や「同じ疾患の患者とのコミュニケーションを求める声」が見られました。
- また、現在日常生活で特に制限はない、という患者さんもいらっしゃいました。


>>Doctor‘s Comment
運動をしたい気持ちがあっても、病気によって制限しなければいけないのは辛いですね。でも運動によって、さらに症状が悪くなることは避けたいです。運動制限の必要性を知ることは大切ですが、同時に、痛むときにどうしたら良いか、どのような対策があるかなど、主治医の先生と相談しましょう。
病気との付き合い方/他の患者さん、ご家族に伝えたいこと
- 幼少期からの疾患であることから、「長く付き合っていく病気である」ことを理解して、付き合っている様子がうかがえました。
- 他の患者さん、家族に伝えたいこととしても、上記と同じように「うまく付き合っていくもの」「長く付き合っていくもの」というメッセージが目立ちました。
他には、情報が少ない血管腫・脈管奇形の患者、家族のために、 過去自分がそうされて安心できたことから、「自身の体験談」を伝えたいという意見も見られました。





>>Doctor‘s Comment
外からは病気のことがわからない場合や、もともと病気のことも理解をされづらいことも多いです。職場や友人に全てを伝える必要はありませんが、こういう時は手伝ってほしいとか、理解をしてもらえると良いと思います。
また医療者からご説明することもできますので、ご相談ください。
就労については、ご自身の希望が叶うことが良いですが、難しいこともあります。ソーシャルワーカーやハローワークなどにも相談してみましょう。
利用している医療費助成制度
- 血管腫・脈管奇形は、幼少期に発症することが多く、小さいうちは子どもの医療費が無料であるため、特に医療費助成制度は利用していないようでした。
- 子どもが大きくなると、20歳までは小児慢性特定疾病、その後は指定難病や障がい者手帳を利用しているよう(利用する予定)でした。

>>Doctor‘s Comment
中学校、高校まではこども医療費助成制度などがあるため、小児慢性特定疾病を申請しないことも多いですが、入院や特別な治療で高額な医療費が必要な場合は、地方自治体の負担を減らすためにも是非、申請をしてください。
ちなみに、入院中の食費や日常生活用具の給付もあります。
病院のソーシャルワーカーさんに申請可能な制度があるかどうか、相談してみましょう。
医療費助成制度・支援情報については、以下のリンク先でご紹介しています。
監修
岐阜大学 医学部附属病院 小児科 臨床准教授 小関道夫先生