月経困難症・子宮内膜症 子宮内膜症診断方法

子宮内膜症はどのように診断できるのでしょうか?
子宮内膜症と診断される契機となるのはやはり、月経困難症と不妊症の2大症状を訴えて受診された場合が多いようです。年齢とともにひどくなる月経痛や下腹部痛、またなかなか妊娠しないという方の場合、内診でしこりや卵巣の腫れを触れたり、超音波検査で卵巣の腫れを認めたりすると子宮内膜症の可能性が高いと考えられます。このような方法で診断することを臨床子宮内膜症と呼びます。
しかし、お腹の中の子宮内膜症はこのような診察ではわからないことも多く、診断を確実にするため、あるいはその程度を把握するためには直接観察するしかありません。実際に直接、内膜症を観察して診断することを確定診断と呼びます。そのためには手術が必要で、最近は腹腔鏡という負担の軽い検査法が進歩しています。
負担が軽いといってもお腹に穴をあけるので、日常生活に支障を来すほどの痛みがあったり、妊娠するためにどうしても必要というような理由がなければ、なかなか手術に踏み切れませんので、臨床子宮内膜症の診断で治療を始められている方も多いようです。


社会福祉法人恩賜財団母子愛育会 総合母子保健センター 愛育病院 院長
百枝幹雄先生 監修