トップメッセージ

迷ったら患者の利益を優先する
「必要なのに顧みられない医薬品・医療機器の提供を通して、社会に貢献する」。このミッションのもと、2003年にノーベルファーマは誕生しました。
以来、現在まで23年の間に、新医薬品を19件、適応症追加を7件、新医療機器を1品目という多くの認可を取得し、19件の希少疾病用医薬品・医療機器指定、2件(ラパリムスゲル、チタンブリッジ)の「先駆的医薬品・先駆的医療機器」指定を受けています。特に2024年には、新薬3品目、新効能1品目の認可を受け販売を開始しました。
また、2016年からは海外進出に乗り出し、2017年に米国、欧州でそれぞれオーファン指定を受け、2022年3月にHYFTOR® (sirolimus topical gel)が米国食品医薬品局(FDA)より成人および6歳以上の小児における結節性硬化症に伴う顔面血管線維腫を適応症として米国における販売が承認され、同年8月に発売致しました。中国では2023年3月に中国国家薬品監督管理局より医薬品登録承認を取得、欧州では同年5月に欧州委員会から欧州EU全域での販売承認を取得し、英国でも9月に承認を取得し、欧州・英国では同年10月、中国では2024年1月に販売を開始しました。また、中国ではノベルジン®(ウィルソン病)が2024年2月に承認となり、海外製品としては2製品目となります。2024年には米国事業が黒字化したものの、欧州、中国事業は利益に貢献するに至っていません。
創業時に、スタッフは6名でした。現在、ノーベルファーマは 368名(2024年12月時点)のスタッフが働く会社に進化しました。「迷ったら患者の利益を優先する」を第一の行動規範として、研究開発、販売活動を継続しています。
2008年に最初の売上を計上し、2011年に黒字化して以来、2023年まで13年間連続で黒字を計上しています。2023年12月期の売上は190億円で、20億円の当期純利益を計上することができました。しかし、2024年は後発品の影響を受け、売上・利益ダウンを余儀なくされ、欧州および中国子会社への投資に関連した損金引き当ても加わり、22億の赤字を計上しましたが、2025年は黒字転換する見込みです。
もっとも、売上や利益は目的ではなく、あくまでもミッション達成の結果であり、 またミッション達成のための手段と考えております。
ノーベルファーマは、株主が3法人の非上場会社です。さいわい、各株主は、ノーベルファーマのミッション、経営方針、行動指針の考え方を共有しており、目先の利益に過度にこだわらず、新医薬品・医療機器の研究開発と海外(中、米、欧)進出に先行投資を行うことに理解を示しています。
いっぽうで、新医薬品・医療機器の業界は、困難な時代に直面しています。その主な原因は、新医薬品・新医療機器の研究開発がこれまで以上に難しくなっていること、医療費増大に対する社会的批判が高まり、新医薬品・医療機器の価格設定がこれまで以上に厳しくなっていることにあります。
それでも創業時のミッションはどんな時代にあっても変わらず、ノーベルファーマの社会的意義は大きいと確信しています。江戸時代後期の儒学者、佐藤一斎は「一灯(いっとう) を提(さ)げて暗夜を行く。暗夜を憂うることなかれ。ただ一灯を頼め」ということばを残しています。ノーベルファーマは、創業ミッションを「一灯」として、これまで以上に精進して事業活動を展開します。
