亜鉛が不足すると低亜鉛血症

亜鉛不足で起こる症状とは?

亜鉛は体内のたくさんの仕組みに関与しているため、不足するとさまざまな不具合がでてきます。
亜鉛不足から起こる症状には次のようなものがあります。

味覚障害

舌で味覚を感じるのは、舌にある味蕾(みらい)の中の味(み)細胞から味覚神経を通して脳にある味覚中枢へ情報が送られるためです。この味細胞は比較的、短い周期で新しく生まれ変わってきますが、その際に亜鉛が必要となります。そのため、亜鉛が不足すると、この味細胞が新たに生まれてこないため、「味がわからない」、「本来の味ではない味がする」、「何も食べていないのにいやな味がする」、等の味覚障害が起きてきます。また、薬剤の影響で味覚障害が起こる場合もあります。

皮膚炎

亜鉛は皮膚にも多く存在し、たんぱく質の合成に関わっています。そのため、亜鉛が不足すると健康な皮膚が保てなくなり、皮膚炎やかゆみ等、さまざまな皮膚のトラブルが起きやすくなります。また、亜鉛は皮膚に限らず炎症を抑える働きをもつことが、わかっています。

脱毛

髪の毛や眉毛等の生えている「地肌」も皮膚の一部なので、皮膚と同じように亜鉛不足により、健康な状態が保てなくなります。亜鉛不足で、毛根の周囲にトラブルが生じ、脱毛が起きます。円形脱毛症では亜鉛不足が多く見られます。

口内炎

亜鉛不足で口腔内の免疫力や、たんぱく質合成能力が低下して、その結果、粘膜が弱くなることで、口内炎が起きやすくなります。

食欲低下

亜鉛が不足すると、胃や腸など消化管の働きが悪くなり、食欲が低下します。食べる量が減るために亜鉛がさらに足りなくなり、悪循環を招いてしまいます。

下痢

亜鉛不足で消化管の働きが悪くなることや、腸の粘膜の免疫機能が低下することから、下痢を起こしやすくなります。

生殖(性腺)機能障害

亜鉛が不足すると、特に男性の性腺(精巣:精子や男性ホルモンをつくる場所)に発達障害や機能不全が起き、精子の減少、性欲の減退等の症状が現れることがあります。亜鉛不足が男性不妊症の原因になることもあります。

傷が治りにくい

亜鉛はたんぱく質の合成や細胞の再生に関わっているため、不足すると傷の修復力が低下し、傷が治りにくくなります。寝たきりの高齢者等にできる床ずれが治りにくく重症化する人には亜鉛不足が見られます。

感染症にかかりやすい

亜鉛が不足すると免疫機能が低下するため、ウイルスや細菌に感染しやすくなります。また感染に対する抵抗力も弱くなり、重症化したり、症状が長引く、繰り返し風邪を引く等の症状が出やすくなります。

貧血

亜鉛は赤血球を作る働きに関係しているため、亜鉛不足の人は貧血になることがあります。

低身長(成長障害)

亜鉛は成長ホルモンや性ホルモン等発育に関するホルモンの産生や働きに関わっているため、子どもに亜鉛不足があると身長の伸びや体重の増加に障害が起こることがあります。

骨粗しょう症

亜鉛は骨の生成に大きく関わっています。そのため、亜鉛が不足すると骨粗しょう症になりやすくなります。

低亜鉛血症 目次帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科 学科長・教授 児玉浩子先生 監修

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