月経困難症・子宮内膜症 子宮内膜症治療法

子宮内膜症はどのように治すのですか?

治療法には大きく分けて、薬物療法手術療法の二つがあります。

薬物療法としては、程度が軽ければ痛みを和らげるために鎮痛剤や漢方薬が使われます。このような治療法は、対症療法と呼びます。さらに積極的に子宮内膜症を治すために、子宮内膜症が妊娠によって改善するという性質を利用して、昔はホルモン剤を使って妊娠中と同じホルモン状態を作りだす方法が行われていました。この方法を偽妊娠療法と呼びます。また最近ではホルモン剤の量を少なくした低用量経口避妊薬の検討がなされ、子宮内膜症に伴う月経困難症に適応を有するお薬が2008年7月から発売になりました。なお、このお薬は避妊の適応がありません。低用量経口避妊薬の治療薬としての開発後、本市場は注目されるようになり、世界的に様々な切り口の薬剤が検討されています。

一方、子宮内膜症が女性ホルモンの刺激で進行するという性質を逆手にとって、卵巣が働かない状態を作り出す方法もとられており、これを偽閉経療法または、GnRHアナログ療法と呼びます。また、男性ホルモンに近いホルモン剤、たとえばダナゾール剤を使って子宮内膜を萎縮させる治療が用いられます。この治療法をダナゾール療法と呼びます。

ただし、これらのホルモン療法には副作用がありますので使用できる期間に限界があり、一旦よくなっても治療を止めるとまた子宮内膜症が活発化することが多いので、もっと効果の高い薬剤や投与法の研究が進められています。

手術療法としては、主に子宮内膜症の病巣を取ることと、子宮内膜症によってできた癒着を剥がすことが行われます。このように卵巣・子宮を残して行う手術を保存手術と呼びます。さらに、重症の場合で妊娠の必要がない、あるいは希望しない場合には卵巣や子宮をとる場合(根治手術)もあります。

手術の方法として、お腹を切る従来の手術に加えて、最近では腹腔鏡下手術が進歩し、大部分の子宮内膜症に対して腹腔鏡下手術が可能です。

これらの治療法は、それぞれ一長一短がありますので、患者さんの年齢、症状の程度、妊娠を希望しているか否かなどによって、最適の治療法を選ぶことになります。

子宮内膜症の治療法

社会福祉法人恩賜財団母子愛育会 総合母子保健センター 愛育病院 院長
百枝幹雄先生 監修

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